2018/03/16

「笑顔が気持ち悪い」と気になる人に言われました。歯の矯正をしたほうがいいですか?

 

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口腔外科医(歯科医師)。医学博士。北海道大学卒業後、 日本一短命の青森県に戻り、地域医療に従事。バルセロナ、メルボルン、香港など国内外の学会で研究成果を発表。「口」と体を健康に保つ方法を体系化、情報を発信している。趣味は読書(Amazon「ベスト100レビュアー」)とハンドボール。
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先日、ある女性からこんな相談がありました(質問内容をアレンジしています)。

好きな人と話をしていたときです。

「うわ~、なにその笑顔!?気持ちわるっ!」

と言われてしまいました。

 

すごくショックです。

今までそんなこと言われたこともなかったのに。

 

自然な笑顔になるにはどうしたらいいのでしょう。

歯の矯正とかもした方がいいですか? (10代女性)

 

 

気になる人からそんなこと言われたら、ショックですよね……。

 

歯並びをきれいにして自然な笑顔にしたい、と歯の矯正も気になっているようですね。

今回は、好きな人の心ない言葉で自分の笑顔が嫌になっている方のために書きました。

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結論から言えば、

あなたは歯の矯正をする必要はまったくありません!

 

では、さっそくお話していきましょう。

 

 

あなたの何が問題なのか

確かに、歯並びがわるいと、むし歯になりやすかったり歯周病になりやすかったりします。

食べかすが歯と歯の間にはさまって口臭につながることもあります。

 

しかし、あなたに歯の矯正をさせるのはもったいない。

なぜならば、あなたの問題ではなく、相手の問題だからです。

 

気になる人に笑顔で話しかけたあなたは立派です。

どこにも落ち度はありません。

むしろ勇気ある行動です!

 

それにもかかわらず、あなたを否定するなんてひどいすぎる。

歯並びはあなたの個性の一つです。

そんな人のためにあなたの時間とお金をつかうなんてもったいない。

 

もちろん、あなたが納得するのであれば、歯の矯正をするのもいいでしょう。

歯並びがきれいになれば、自信をもって笑うことができるかもしれません。

でも、あなたを否定した人に認められるために歯の矯正をするとしたら、それは人生の浪費です。

 

 

あなたは、今までその人が素敵に見えていたかもしれません。

きっといいところもたくさんあるでしょう。

でもこれは、あなたの問題ではなく、相手の問題なのです。

 

同じ笑顔!?どう受けとるかは相手が決める

2018年3月1日、オープンアクセスの電子雑誌「Scientific Reports 」に気になる論文が掲載されました。

論文によると、相手の笑顔を立場や地位がまさった優位の笑顔(dominance smiles)と感じる人は、ストレスを受けやすいそうです(*1)。

今回の研究で、称賛(reward)、友好(affiliation)、優位(dominance)の3つのうち、称賛や友好の笑顔と感じた人に比べて、相手の笑顔を優位と感じる人が大きなストレスを受ける、と報告されたのです。

 

私が何が言いたいかというと、あなたの笑顔をどう受け取るかは相手が決めるということです!

 

ちょっと話はそれますが、今回の研究でストレス評価には心拍数とだ液がつかわれていました。

大きなストレスがかかると、ストレスホルモン(コルチゾール)がふえます(*2)。

だ液は、体や心の反応をあらわしているんですよ。

 

話を戻しましょう!!

あなたの笑顔をどう受け取るかは相手が決めます。

同じ笑顔でも嫌な笑顔だと感じる人がいます。

そして、その人は大きなストレスを受けてしまうのです。

 

ご注意。指導がすべて非難にきこえる法則

一つだけ覚えておいてほしいことがあります。

私たちは、相手から受ける指導がすべて非難にきこえてしまうということ。

 

先日、読んだ「ハーバード あなたを成長させるフィードバックの授業」の中に以下の記述がありました(*3)

    <自分がフィードバックを与える側のときは、『建設的な批判』や相手のためになる指導を与えていると思っている。問題の原因を正確に特定できているという自信があり、自ら進んでそれを発表する。

    ところが、この種のフィードバックを受け取る側になると、相手の発言は何一つ『建設的』ではなく、すべて非難に聞こえる。>(P149)

 

フィードバックを与える側は「感謝」や建設的な「指導」をしていると思ってる。

しかし、フィードバックを受ける側は「評価」されていると感じている。

この認識のズレが誤解や不満を生むということです。

 

これから先に、先生からアドバイスを受けたり、働いて先輩や上司から注意されたりすることがあるでしょう。

あなたを非難しているわけではなく、むしろあなたの成長を期待している、ということをこころの片隅に置いておいてくださいね。

 

 

まとめ

今回は、好きな人の心ない言葉で自分の笑顔が嫌になっている方のために書きました。

歯並びをきれいにして自然な笑顔にしたい、と歯の矯正も気になっているようですが、あなたは歯の矯正をする必要はありません。

その人の言葉で傷つく必要も歯の矯正をする必要もないんですよ。

 

あなたの笑顔をどう受け取るのかは相手次第だからです。

そんな人の言葉を気にしないでください。

今まで笑顔が気持ち悪いと言われたことがないのであれば、まったく心配はいりません。

大丈夫です!

 

あなたの笑顔が素敵だよって思ってくれる人が必ずいます!

そして、あなたの笑顔を素敵だって言ってくれる人と幸せになってください!!

応援しています!

 

参考文献:

*1 Martin JD, Abercrombie HC, Gilboa-Schechtman E, Niedenthal PM. Functionally distinct smiles elicit different physiological responses in an evaluative context. Sci Rep. 2018;8:3558.

*2 ストレスホルモンを測る 労働安全衛生総合研究所

*3 ハーバード あなたを成長させるフィードバックの授業  ダグラス・ストーン (著)、シーラ・ヒーン (著)、花塚 恵 (訳) 東洋経済新報

 

 

 

 

 

 

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口腔外科医(歯科医師)。医学博士。北海道大学卒業後、 日本一短命の青森県に戻り、地域医療に従事。バルセロナ、メルボルン、香港など国内外の学会で研究成果を発表。「口」と体を健康に保つ方法を体系化、情報を発信している。趣味は読書(Amazon「ベスト100レビュアー」)とハンドボール。
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