2018/02/16
新しい世界を創り出す革命家の頭の中を覗ける本
こんにちは、古舘 健です。
先日、読んだ「BUSINESS FOR PUNKS/ビジネス・フォー・パンクス」に以下の箇所がありました。
「始めるのはビジネスじゃない。革命戦争だ。
会社は失敗する。会社は死ぬ。会社は忘れられる。
だが、革命が死ぬことはない。
だったら会社ではなく、革命を始めればいい。」
参考:ビジネス・フォー・パンクス (P21)James Watt(著)日経BP社
James Watt氏によると、世界中に熱狂的なファンをつくり、国内外で成長率トップに立つことができた理由は、自分がその一部だと感じることができたから。
ファン全員が意思決定の中心に関わり、そのことを自覚できる環境を整えたからだそうです。
数多くの著名人が、オンラインサロンを開設していますが、会員を意思決定の中心にすえ、共犯者を作り出す環境を整えている方はあまり多くありません。
「5000部売れればヒット」と言われる絵本市場で32万部「えんとつ町のプペル」を売った本書の著者は、その中の一人でしょう。
「ジャパニーズ・ハロウィン(渋谷のハロウィン)のアイコンを取りに行く」や目標は打倒、ディズニー! と、とにかくスケールがでかく、大きなリスクを冒して、常識を次々と打ち破る姿は革命家そのもの。
本書はその頭の中を覗ける本です。
アイディアがたくさん詰まっていて、頭の中をグルグルと刺激させられました。
本書の中で一番ためになったのは以下の部分です。
「僕はあなたよりも勇気があるわけではなくて、僕があなたよりも意見しやすい環境にあるというお話。
オンラインサロンという環境があるから、自分の意見を表明することができて、自分の意思を表明すれば、オンラインサロンの会員が増え、さらに意思を表明しやすくなる。
僕はスポンサーさんからお金をいただく広告ビジネス(好感度ビジネス)を早々に放棄して、このループに入っている。
つまり、嘘をつかなくても良い環境になっているので、そもそも『嘘をつく』という選択肢がない。ダイレクト課金をしてくださる方々が離れてしまう“選択肢”をとるメリットが僕には一つもない。
意思決定は、頭や心ではなく、環境がおこなっている。(P60)」
ということは、学校で革命が起こらないのは、成績や卒業を先生に握られているから。
職場で革命が起こらないのは、人事や給与を上司に握られているから。
日本で革命が起こらないのは、……なのかもしれませんね。
著者の言うように意思決定は環境が行っているとしたら、新しい世界を創り出すには新しい環境を作り出すことが重要。
そして行動することの大切さを教えれくれます。
「そして、コチラから仕入れようともせず、自然と情報が集まってくる身体作りをしておいた方がいい。
情報は、行動する人間に集まり、更なる行動を生み、また情報が集まってくる。行動の連鎖だ。
勇気のせいにしてはいけない。(P301)」
物事の本質を押さえていて、とてもためになりました。
ぜひ読んでみてください。
以下は、本書の抜粋です。ためになった箇所を一部、抜粋しご紹介します。
P121 「これを打破するには、Web上で無料公開し、時間に余裕がないお母さんに“自宅で立ち読み”してもらい、『1回だけ』とは言わず何度も吟味してもらい、まずは『買うか?買わないか?』のステージにまでもっていかないと、買ってもらえない。
絵本とフリープレミアム戦略は、とても相性が良いと僕は考える。
というか、現段階では、この方法でしか、この絵本業界に何十年も続けいているループを打破できないと考えている。
モノを売るということは、人の動きを読むということだ。
現代でモノを売るなら、当然、現代人の動きを読まなければならない。」
P174
「これまで僕らは『いかにお客さんを増やすか?』の競争をしてきたけれど、そんなことはしなくてもよくて、『作り手』を増やしてしまえばいい。作り手は、そのまま消費者になるから。
『えんとつ町のプペル』でクラウドファンディングを使った本当の目的は、作り手を増やすことにあった。
結果、1万人の作り手を生み、予約段階でそのまま1万部が売れた。
クラウドファンディングは、資金調達のツールではなく、共犯者作りのツールである。」
P177
「『おみやげ』が売れるのなら、自分の作品を『おみやげ化』してしまえばいい。
『おみやげ』に必要なのは、シンガポール旅行や観劇といった「体験」だ。
『おみやげ』は必ず『体験』の出口にある。
というわけで、僕はある時から、自分の絵本の個展を積極的に開催するようにした。そしてその出口で絵本を売ったら、これが飛ぶように売れた。
絵本としてではなく、個展の『おみやげ』として売れたのだ。」
P262-263
「インターネットで世界が繋がり、クラウドファンディングやオンラインサロンといった『信用をお金化するための装置』が完成した現代でも、やはり、お金が一番力を持っているのか?
お金が持つ人間が一番力を持っているのか?
その問いに対する僕の答えは『NO』だ。
理由は、お金を信用に両替することはできないが、信用をお金に両替することはできるから。
『信用持ち』は現代の錬金術師だ。」
◆目次◆
はじめに
他人と競った時点で負け。自分だけの競技を創れ。
キミの才能を殺したくなければ、お金の正体を正解に捉えろ。
お金を稼ぐな。信用を稼げ。「信用持ち」は現代の錬金術師だ。
意思決定の舵は「脳」ではなく、「環境」が握っている。
入り口でお金を取るな。
マネタイズのタイミングを後ろにズラして、可能性を増やせ。
作品の販売を他人に委ねるな。それは作品の「育児放棄」だ。
インターネットが破壊したものを正確に捉え、売り方を考えろ。
2017年1月。お金の奴隷解放宣言。
(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)
無料公開を批判する人間に未来はない。
過去の常識にしがみつくな。その船は、もう沈む。逃げろ。
ネタバレを恐れるな。人は「確認作業」でしか動かない。
作品の無料化が進み、エンタメ業界は完全な実力社会になる。
その作品を守る為に、「著作権」は本当に必要か?
本を売りたければ、自分で1万冊買え。
そこで必要なのは「財力」ではない。「努力」だ。
「セカンドクリエイター」を味方につけろ。
信用時代の宣伝は、口コミが最強。口コミをデザインしろ。
自分の作品と、社会を一体化させろ。
努力量が足りていない努力は努力ではない。
誤った努力もまた努力ではない。
ニュースを出すな。ニュースになれ。
自分の時間を使うな。他人の時間を使え。
お客さんは、お金を持っていないわけではなく、お金を出す「キッカケ」がないだけだ。
インターネットは「上下関係」を破壊し、「水平関係」を作る。
≪後悔の可能性≫を片っ端から潰せ。
老いていくことは「衰えではない」。「成長」だ。
次の時代を獲るのは「信用持ち」だ。
本ではなく、店主の信用を売る古本屋、『しるし書店』。
売れない作品は存在しない。キミの作品が売れないのは、キミが「売っていない」だけだ。
出版のハードルを下げ、国民全員を作家にする出版サービス、『おとぎ出版』。
踏み出す勇気はいらない。必要なのは「情報」だけだ。
おわりに
参考:
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。
さいごまで読んでくださり、ありがとうございます!
ぜひチェックしてみてください。
関連記事 - Related Posts -
-
2018/01/09
-
英語の楽しさを教えてくれる本
-
2018/01/10
-
売れない商品やサービスを売る方法!?商品やサービスに向き合える本
最新記事 - New Posts -
-
2019/06/17
-
著作案内
-
2019/04/07
-
ドライブレコーダの取り付け
-
2018/11/14
-
講演会のご案内
-
2018/03/24
-
口腔癌で放射線治療を受けました。抜歯や歯科治療はできますか?