2018/02/16

「世界標準の子育て」を教えてくれる好書

 

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口腔外科医(歯科医師)。医学博士。北海道大学卒業後、 日本一短命の青森県に戻り、地域医療に従事。バルセロナ、メルボルン、香港など国内外の学会で研究成果を発表。「口」と体を健康に保つ方法を体系化、情報を発信している。趣味は読書(Amazon「ベスト100レビュアー」)とハンドボール。
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こんにちは、古舘 健です。

「○△しちゃダメだよ!」という声がファミレスの店内に響きわたりました。
先日、4歳ぐらいの男の子と20代の女性が食事をしているのを見ました。女性が大声で何度も注意するので、ついチラ見をしてしまいました。子育てって大変だ、と思うと同時に、どうしたら子どもに伝わるのだろう、と思いました。

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そんな中、子育てに悩む方にお勧めの本を見つけました。
本書は、20年間グローバルに教育の舞台で活躍する著者が、「自信」「考える力」「コミュニケーション力」を根幹とする「世界標準の子育て」を教えてくれる好書です。

著者は、4000人以上の子どもの教育に携わり、ハーバード大学、イェール大学などの世界各国の最難関校に生徒を送り出し続けてきました。卒業生の実績が評価され、ハワイでは著名人の子どもですら順番待ちになっています。

2015年にカリフォルニア州トランス校、2017年に中国上海校を開校、全米25万名の教師が加盟する教育サイトで、独自の教材が第2位を獲得するなど、グローバルに活躍する教育の第一人者です。

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私がファミレスで見かけたような注意の仕方は、厄介です。著者によると、否定言葉を使った注意は、子どもから「自信」を奪うからです。

「親の言葉は子どもの心の発達に大きな影響を与えます。中でも否定言葉には細心の注意が必要です。
しつけ目的で子どもの行動を制限しなければならない時は、『なぜダメなのか』を説明してあげてください。頭ごなしに『ダメ!』と言われても、子どもは理解できません。自分の存在が『ダメ』だと否定されているように感じてしまうのです。(P68)」

世界における日本の存在感は小さくなっているようです。
本書によると、韓国は全米最難関大学への合格者数がアジアトップになり、ハーバード大学にも298人を送り出していますが、日本は78人、と台湾の80人よりも少なく、TOEFLの成績も20年前と変わらない状況です。

日本の現在の姿は、これまでの教育の結果です。
これからの日本を考えるとき、本書は、子育てというカテゴリーを超えて、私たちのあり方を問う本ともいえそうです。

本書の中で、私が一番心に残ったのは、以下の部分です。

「高校受験、大学受験、就職、結婚、転職、独立。人間はいくつもの『大きな選択』をして成長していきます。
多くの人はその時々の『選択』によって人生が決まると考えていますが、本当に人生を決定づけているのは『日々のささいな積み重ね』です。
(中略)何か一つ、コツコツと10年継続することができれば、子どもは大きな自信を得ることができます。」

海外では学校や職を転々としているイメージでしたが、「自信」を育てるというグローバル教育の視点においても、継続が大切だ、と再認識できました。

本書の魅力の一つは、具体的であること。
4000人超のグローバル人材を輩出してきた著者が、教育の現場で培った人材育成の具体的なノウハウを学ぶことができます。

「しつけの目的は『みんなと楽しく快適に過ごす方法』を伝えることです。
(中略)たとえば、子どもにあいさつを覚えさせたい時。
『あいさつしなさい!』と強制されても、子どもは『なんで知らない人にあいさつしなきゃいけないの?』と思います。
そこで、『笑顔であいさつすると自分も相手も楽しい気分になるよ!』とあいさつの意味を子どもに教えます。そして、親子で『笑顔であいさつ』を練習するのです。(P227)」

子どもとの接し方には、コミュニケーションのエッセンスがギュッとつまっている、と私は思います。

だからこそ、部下や後輩をもつ方はもちろん組織にいる方にもお勧めできます。
子育てに関わる人もそうでない人も必読の本です。
ぜひ読んでみてください。


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以下は、本書の抜粋です。ためになった箇所を一部、抜粋しご紹介します。

P20
「過干渉は必ず子どもからやる気を奪い、自信を減退させます。
『人の手を借りずに自分でやってみたい』、『自分で試してみたい』というのは人間の自然な欲求なのです。それを『危ないから』『汚すから』『時間がかかるから』と親が横取りしてしまうのと、子どもの成長機会を奪ってしまいます。
これは、子どもが何歳になっても同じです。親は、『手出し・口出し』したい気持ちをグッとこらえて、子どもを見守ることが大切です。」

P36
「日本人は『言うことを聞けた→褒める=従順を促す』です。
子どもは褒められると嬉しいですから『次も言うことを聞こう!』と努力します。
子どもが親の言うことを聞いて大人しくすることは親にとっては『都合がいいこと』ですが、肝心の自立心が育ちません。すると、もっとも重要な子どもの自信が育たないのです。
自分で着替えができた、自分で靴が磨けた、自分で絵が描けた、自分で顔を洗えた、自分で歯を磨けた、そんな子どもの小さな成長を見つけたときには『自分でできたね!』『すごいね!』ともっと大げさに褒めてあげてください。」

P80
「身内の悪口を聞かされて育った子どもは周囲の人をバカにするようになります。たとえばクラスメートに対して『そんな簡単な問題がわからないの?』という言葉を平気でつかうようになるのです。
(中略)身内への悪口は世界ではほどんと見ることをない日本の悪しき習慣です。
欧米社会では身内の悪口は御法度であり、身内を悪く言う人は、ひるがえれば自分の恥や価値観の狭さを世間にさらしているようなものなのです。」

P240
「話さなくなった子どもと『雑談』をするにはルールがあります。
1) 子どもに話させようとせず自分から話題をふる
2) 子どもが話題に乗ってきたら見逃さずに話題を広げる
3) 話をさえぎったり、せかしたり、否定したりせずに最後まで聞く
4) 上から目線で話をしない(バカにしない/説教しない)
5) 話しやすい環境をつくる(車の中や食事中などリラックスした雰囲気で話をふる)
(中略)何でも話せる親子関係を構築するというのは、お互いを人間として尊敬し合えているということです。親が子どもにこびへつらうことではありませんので間違えないでください。」

◆目次◆

はじめに
第1章 「世界標準」の子育て3つの条件
第一の条件「自信」
第二の条件「考える力」
第三の条件「コミュニケーション力」
第2章 海外の子育て、日本の子育て
第3章 日本人の子育て7つの間違い
第4章 実践編「自信」を育てる3つのステージ
第5章 実践編「考える力」を育てる3つのステージ
第6章 実践編「コミュニケーション力」を育てる3つのステージ
第7章 子育ての「壁」への対処法
巻末特典 子育てQ&A 58
あとがき

 

*参考:

 

※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

 

さいごまで読んでくださり、ありがとうございます!

ぜひチェックしてみてください。

 

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