2018/02/15

前歯が抜ける原因の第1位!?子供が怪我で歯が折れる・グラグラ(脱臼)の治療

 

この記事を書いている人 - WRITER -
口腔外科医(歯科医師)。医学博士。北海道大学卒業後、 日本一短命の青森県に戻り、地域医療に従事。バルセロナ、メルボルン、香港など国内外の学会で研究成果を発表。「口」と体を健康に保つ方法を体系化、情報を発信している。趣味は読書(Amazon「ベスト100レビュアー」)とハンドボール。
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遊びやスポーツ、交通事故や暴力。
さまざまな原因で歯の怪我(外傷/がいしょう)が起こることがあります。

歯の外傷が起こってしまった場合、素早くきちんとした応急処置が大事です。

いざというときのために「子供が怪我で歯がグラグラ、折れたときの治療」についてお話ししましょう。

1)子供の頃、前歯がなくなる原因の第1位は何?
2)消毒は絶対ダメ!歯が抜けた(完全脱臼・脱落)ときの応急処置
3)永久歯が抜けた(完全脱臼・脱落)ときの治療法
4)まとめ

 

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1)子供の頃、前歯がなくなる原因の第1位は何?

子供の頃、前歯がなくなる原因の第1位。

 

歯が欠けたり折れたり抜けたりする歯の怪我(外傷/がいしょう)です。

 

歯の外傷は、1~2歳頃と、7~8歳頃に多く起こりやすいので(*1)、とくにその年代のお子さんのいらっしゃる方は注意したいですね。

 

しかし、たとえ歯の怪我が起きても、子供の歯(乳歯)の場合は、様子をみることが多いです。

たとえば、乳歯がグラグラしていたり、埋まってしまった場合は様子をみます。

 

もし乳歯が抜けてしまった(完全脱臼・脱落)としても、基本的に元の位置には戻しません。
治療が必要になるのは、大人の歯(永久歯)です。

 

では、次は治療が必要になるのは、大人の歯(永久歯)についてお話しましょう。

 

2)消毒は絶対ダメ!歯が抜けた(完全脱臼・脱落)ときの応急処置

目には見えませんが、歯の周りには歯に栄養を与える歯根膜(しこんまく)がついています。

 

この部分がダメージを受けてしまうと、治療しても歯がくっつく可能性は低くなります。

 

そのため、歯が抜けて(完全脱臼・脱落)からの時間が短ければ短いほど、予後が良いと考えられています。

 

歯根膜(しこんまく)へのダメージを最小限に抑えるために、抜けた歯の根の部分を水でゴシゴシこすったり、アルコールで消毒するのは絶対に避けてくださいね。

 

オススメは体液とほぼ等張な生理食塩水(0.9%塩化ナトリウム)や冷たい牛乳に入れること。

なるべく早く受診するようにしてください(*2)。

 

乾燥を避けるため、さっと汚れを落として、歯と下唇の間(口腔前庭/こうくうぜんてい)に入れておくのも効果的ですが、うっかり飲み込まないようにしてくださいね。

 

いろいろお話してきましたが、一番大事なのは、呼吸、脈拍、意識、血圧などに異常がないかです。

意識に問題があれば、脳神経外科や小児科などの専門科の対応が必要です(*3)。

まずそこを確認しましょう!

 

次は実際の治療について、お話ししましょう。

 

3)永久歯が抜けた(完全脱臼・脱落)ときの治療法

大人の歯(永久歯)が抜けた(完全脱臼・脱落)ときの治療法は、歯の位置をできる限り元に戻して、はり金や接着剤(レジンなど)で7~14日間ゆるく固定します。

 

もし歯が2本以上グラグラしているならば、歯を支える骨(歯槽骨/しそうこつ)の骨折が疑われます。

その場合、固定の期間が4~6週間と少し長くなります(*2)。

 

感染予防のために化膿止め(抗菌薬)、状況によっては破傷風の予防が必要なこともありますよ。

 

大人の歯(永久歯)が抜けてしまった場合(完全脱臼・脱落)、歯の神経を抜きます。

なぜならば、歯や骨の吸収を予防するためだからです。

 

神経を抜くときは、歯の裏側から、ファイルという器具を入れて、ガサガサゴシゴシ動かします。

 

大人の歯(永久歯)でも根がまだできていない歯(根未完成歯)であれば、神経を抜かずに様子をみることもあります。

 

4)まとめ

子供が怪我をしたときに一番大事なのは、呼吸、脈拍、意識、血圧などに異常がないかです。

意識に問題があれば、脳神経外科や小児科などの専門科の対応が必要です。

まずそこを確認しましょう!

 

子供の歯(乳歯)は、そのまま様子をみることが多いです。

たとえば、乳歯がグラグラしていたり、埋まってしまった場合は、様子をみますし、抜けてしまった場合(完全脱臼・脱落)は基本的に元の位置には戻しません。

 

大人の歯(永久歯)が抜けてしまった(完全脱臼・脱落)場合は、ダメージを最小限に抑えるために、抜けた歯の根の部分を水でゴシゴシこすったり、アルコールで消毒するのは絶対に避けてくださいね。

 

ちょっとした知識と行動で前歯が残せるかどうか決まります。

オススメは体液とほぼ等張な生理食塩水(0.9%塩化ナトリウム)や冷たい牛乳に入れること。
なるべく早く受診するようにしてください。

 

前歯は一番目立つところなので、できる限り自分の歯が残せると良いですね!

 

 

参考文献:

*1「歯の外傷治療ガイドライン」 日 本 外 傷 歯 学 会 平成24年10月改訂

*2高木 裕三: 外傷歯の標準治療および一般的な予後経過. 日補綴歯会誌, 2: 119-124, 2014.

*3「歯の外傷」 日本歯科医師会

 

※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

 

 

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口腔外科医(歯科医師)。医学博士。北海道大学卒業後、 日本一短命の青森県に戻り、地域医療に従事。バルセロナ、メルボルン、香港など国内外の学会で研究成果を発表。「口」と体を健康に保つ方法を体系化、情報を発信している。趣味は読書(Amazon「ベスト100レビュアー」)とハンドボール。
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