2018/02/15

孫正義とスティーブ・ジョブスの人生を変えたエンジニア。伝説の男の生き方を教えてくれる本

 

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口腔外科医(歯科医師)。医学博士。北海道大学卒業後、 日本一短命の青森県に戻り、地域医療に従事。バルセロナ、メルボルン、香港など国内外の学会で研究成果を発表。「口」と体を健康に保つ方法を体系化、情報を発信している。趣味は読書(Amazon「ベスト100レビュアー」)とハンドボール。
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こんにちは、古舘健です。
 
2018年1月14日、奄美大島西300km(日本の排他的経済水域内)でタンカーが沈没し、過去最悪の石油流出が起きました(*1)。
 
 
何もできない無力さと自然への悪影響に私は不安を感じています。
 
不思議なことに、重大な災害にも関わらず日本のメディアではあまり報道されませんでした。
 
今回の事故により、亡くなられたイランとバングラデシュの方々の無念さと、大切な人を失われたご家族のふかい悲しみを思うと、哀惜の念にたえません。
 
 
乗組員の方々とご家族に心から哀悼の意を表するとともに、科学の進歩によって災害や戦争の脅威がなくなることを私は強く願わずにはいられません。
 
人生には、自分の力ではどうすることもできない場面に出くわすこともあるかもしれません。
 
 
そんなピンチや困難に直面したとき、わたしたちはどうすればいいのでしょうか。
 
ヒントと勇気を与えてくれる本を紹介します。

孫正義氏の恩人であり、スティーブ・ジョブス氏が憧れた伝説の日本人のお話です。


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佐々木正(ささきただし)氏は科学者として戦争を乗り越え、その行動力や発想力からロケット・ササキと称されました。

佐々木氏は世界中で最先端の技術や知識を吸収し、のちのノーベル賞受賞者や、アメリカのエレクトロ二クス業界、通産省に人脈を築きます。
そして、その人脈を惜しむことなく他人、他社、他国のためにも使った人物です。

象徴的なエピソードが紹介されています。

 

「『いいかい、君たち。わからなければ聞けばいい。持っていないなら借りればいい。逆に聞かれたら教えるべきだし、持っているものは与えるべきだ。人間、一人でできることなど高が知れている。技術の世界はみんなで創る『共創』が肝心だ』(P121)」

いくどとなく訪れるピンチを乗り越えることができたのは、佐々木氏の根底にある「共創」という考え方でした。

 

戦中戦後の何もない日本から世界のエレクトロニクス業界を牽引した佐々木氏はいいます。

「『これからは人を殺す道具ではなく、人を幸せにする道具を作る。我々の技術はそのためにあるはずだ。』(P69)」

本書を読んだとき、私は涙が止まりませんでした。

 

2018年2月2日、お亡くなりになられた佐々木正氏とご家族の皆さまに心からお悔やみを申し上げます。
同時に、力と勇気を与えてくれた佐々木氏に心から感謝を申し上げます(*2)。

 

戦中、戦後の日本で、世界のエレクトロニクス業界を牽引してきた男がいかに考え、何もない中でいかに生き抜いてきたのか。

 

本書は今を生きるわたしたちのヒントと勇気を与えてくれる一冊です!

ぜひ読んでみてください。

 
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以下は、本書の抜粋です。ためになった箇所を一部、抜粋しご紹介します。


P42
「素直に頭を下げれば、たいていの人は教えてくれる。人間とは自分の知っていることを教えたい生き物であり、教え合い学び合いながら進歩してくものである。」

P197
「『だまらっしゃい』
創業者の一括で、会議室は水を打ったように静かになった。
『少しばかり教えたぐらいで負けるようなら、シャープはその程度の会社だということです。そんなことで。負けるシャープじゃない。佐々木さん、構いません。行って、存分に話しておやりなさい』」

P217
「『いいか孫くん、苗を育てようと思ったら肥えた土地に植えなければならない。痩せた土地で苗は育たんぞ』
コンピューター関連の仕事を始めるなら、旺盛な需要があり、関連産業がひしめき、人材の集まる東京で起業すべきだ、と佐々木は教えた。」

P238
「『技術は人類の進歩のためにある』
101歳を超えた佐々木は、今も固くそう信じている。
『人生の最後まで自分の足で歩けたら、そんな幸せなことはない。私は魔法の杖を開発して世の中から車椅子をなくしたい』
・・・佐々木にはジョブスと同じように、周りの人間に自分のビジョンを信じ込ませ、『現実歪曲空間』を作る力がある。」

 
 


◆目次◆

プロローグ 孫正義の「大恩人」、スティーブ・ジョブスの「師」
第一章 台湾というコスモポリタン
第二章 「殺人電波」を開発せよ
第三章 アメリカで学んだ「共創」
第四章 早川電機への転身
第五章 「ロケット・ササキ」の誕生
第六章 電卓戦争と電子立国への道
第七章 未来を創った男
エピローグ 独占に一利なし
 
参考:
*1 Unique oil spill in East China Sea frustrates scientists. Nature 554; 17-18, 2018

*2 「次世代技術に情熱、起業家育成にも力 佐々木正氏死去」日経 2018. 2. 2

*3

 
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。
 

 


◆編集後記◆

重ね重ねになりますが、事故により犠牲となられた方々にご冥福をお祈りいたしますとともに、ご遺族の皆さまに心よりお悔やみを申し上げます。
 
 
佐々木正氏のご功績をしのび、心からご冥福をお祈り申し上げます。
 
 
 

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口腔外科医(歯科医師)。医学博士。北海道大学卒業後、 日本一短命の青森県に戻り、地域医療に従事。バルセロナ、メルボルン、香港など国内外の学会で研究成果を発表。「口」と体を健康に保つ方法を体系化、情報を発信している。趣味は読書(Amazon「ベスト100レビュアー」)とハンドボール。
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