2018/02/14
神社に初詣に行くと運がよくなるの!?「神道の本質」を教えてくれる本
こんにちは、古舘 健です。
2018年1月2日、師匠と仲間で「明治神宮」に初詣に行きました。
「明治神宮」は、初詣に毎年参拝者数が300万人を超え、全国で参拝者数の最も多い神社の一つです(*1)。
「明治神宮」は「明治天皇」を祭神としています。
「神」という言葉に抵抗感をもった方もいるのではないでしょうか。
しかしよく考えてみると、年始には初詣で神社を参拝しますよね。
また、日本各地にはコンビニよりも多い約8万社の神社があります。
実は、思っているよりも「神様」は身近な存在なのかもしれませんね。
世界の中で日本は独自の宗教観をもつ、といわれています。
日本の「神様」についてわかりやすい本をさがしていたところ本書を見つけました。
1370年以上前から歴代天皇の儀式で用いられてきた「大祓詞(おおはらえのことば)」を簡単にわかりやすく解説してくれる本です。
著者は、神道にめざめる約25年前に虚無主義におそわれました。
そして、精神的にも経済的にも行き詰ってしまったそうです。
禅修行により、多くの気づきや悟りを得た著者が、なぜ虚無主義におそわれてしまったのでしょう。
虚無主義(ニヒリズム)と言えば、ドイツの哲学者フリーヒド・ニーチェですね。
ニーチェは、当時のヨーロッパ文化の行き詰まりを、虚無主義(ニヒリズム)として理解すべきだと主張しました。
なぜならば、当時のヨーロッパ文化は、超自然的な世界(自然=無機質な材料)であったからです。
その行き詰りを古代の世界観で打破しようとしたのでしょう。
・当時のヨーロッパの(キリスト教の教えにつながる)世界観:
⇒「自然」=「無機質な材料」
⇒ 超自然的な世界観=世界を「つくる」
⇒ 本質的な価値を見失い、行き詰まる=虚無主義(ニヒリズム)
・古代(ギリシアや東洋)の世界観:
⇒「自然」=「生命の一部」
⇒ 自然的な世界観=世界は「なる」「うむ」
参考(*2):反哲学入門 (新潮文庫)(新潮文庫)
著者は、「伊勢神宮」へ参拝した際に、虚無主義を抜け出しました。
「伊勢神宮」で天と地を結ぶ柱(神道では「天の浮橋」、ユダヤ教やキリスト教では「ヤコブのはしご」)の中に立ったという体験をしたそうです。
虚無主義を脱する新たな視点を「神道」にめざめた著者がえられたこと。
古代の日本人は「自然」の中に「神」を見出したこと。
それは、ニーチェが「超自然的な当時のヨーロッパ文化」に抱いた危機感と無関係ではないように私は思えます。
本書の一番の魅力は、読みやすいこと。
1370年以上前の「大祓詞(おおはらえのことば)」を私たちでも読むことができます。
本書の中で、私が一番心に残ったのは、以下の部分です。
「つまり、高次元の世界では、自分と他の人のいのちが融合してくるのです。その命が重なった箇所から、自分の意識を相手の意識の座に移動させて、他の人の意識の座から世界をながめることも可能になります。
これはつまり、平たく言うと、他の人の気持ちが思いやれる人に成長することです。
このように、いのちの進化とは、他者のことを『我がこと』のように思いやれる人間に成長するということなのです。(P47-49)」
長い生命の歴史の中で、1370年以上前から大切にされてきた考え方を知り、視座が高くなったように感じました。
現代のような知識社会では個人や専門家が重要視されるからこそ、他者を思いやる視点を忘れないようにしたいです。
著者は、「神道」にめざめた後、世界一難解な哲学書の一つ『正法眼臓』、仏教経典、禅の書も次々と理解できるようになったそうです。
約50年間修業を続けてきた著者が日常の疑問にこたえたQ&A75問もためになりました。
例えば、<占いは信じてもいいですか?>という質問に対して、以下のように解答されています。
「『神様のお力』は、占いなどで判明する『決められた運命の力より、はるかに強いのです。(中略) それには、“それぞれの人に、基本的に運命というものがあり、普通の人はその通りの運命をたどるけれども、悪人は、基本の運命を脱線してさらに悪い運命を生きることになり、善人は上に上にと基本の運命が逸れていって、極めて喜びの多い人生をたどることになる”と、我が子に諭す文章が書かれています。(P138)」
Q&Aには恋愛運や金運を上げる方法なども書いてあります。
本書に注文をつけるとしたら、一つだけ。
「大祓詞(おおはらえのことば)」を読み上げた音声が欲しい、と思いました(前書の劇的に運が良くなるお経 般若心経・延命十句観音経篇も)(*3)。
AIや量子コンピューターなどのテクノロジーは、いずれも「つくる」という超自然的な世界観の上に成り立っています。
「大祓詞(おおはらえのことば)」には現代の行き詰まりを打破するヒントがつまっているような気がしてなりません。
とっつきやすく、読みやすい「神道の本質」を教えてくれる本書をぜひ読んでみてください。
以下は、本書の抜粋です。ためになった箇所を一部、抜粋しご紹介します。
P28
「そして、言葉には『言霊』がある―つまり、『言葉には、それぞれある固有の特性を持った生命力があり、言葉を発した人物の目的を実現するように働いてくれる』というのは、本当のことなのだと自然と納得させてくれます(『大祓詞』の場合には、人の罪や穢れを祓うという生命力があります。)」
P41
「まず、『自他の区別』がはじまり、自分の周囲に防御壁を設けて、その中に閉じこもることがはじまりました。これが根本の罪(原罪)です。つまり、いのちの炎を囲い、包み込んだのが最初の罪で、つまり、最初の『罪』は『包み』なのです。
さらに、囲い内側に予備の燃料(お金や土地などの財産の喩えです)をできるだけたくさん積み重ねようとしました。これが二番目の罪です。つまり、『罪』は『積み』でもあります。」
P43
「この、『神』より『国』より、まず『ヒト』からはじまるのだというところが、他の民族の創造神話と比べて、日本民族の創造神話のすばらしい特徴だと思います。」
P44
「『ヒト』は実は多層構造で、大雑把に分類すると、地上世界・霊的世界・天的世界に今現在も同時に存在していて、全部合わせて、ひとりの『ヒト』なのです。
そして、『ヒト』はそれぞれの世界に『意識の座』を持っています。
罪や穢れで、通路(エレベーターのように昇降するするための通路)が閉ざせれなければ、本来、自由に意識を登り降りさせ、天界や霊界の意識の座から周りを見渡すこともできるのです。」
◆目次◆
伊勢神宮での奇跡と「神道の教え」
「まいにち」の生活に、「日本の神様パワー」を取り入れよう
禅者である私に起こった「伊勢神宮での奇跡」
伊勢神宮と出雲の神々の関係性
第一章 『大祓詞』の真意とその力
『大祓詞』とは何か?
『大祓詞』はどこでどう称えるべきか?
『大祓詞』全文
『大祓詞』の真意とそのパワー
第二章 神社への参り方と「開運」Q&A75
神社への効果的な参り方
「開運」Q&A75
さいごまで読んでくださり、ありがとうございます!
ぜひチェックしてみてください。
参考:
*1 「明治神宮~初詣の参拝者数全国1位の神社、その意外な誕生秘話」 PHP online 衆知
*2
*3
*4
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。
◆編集後記◆
2020年、「明治神宮」は東京オリンピックの年に創建100周年を迎えます。
初詣したときにたまたま「明治神宮鎮座百年記念事業」の寄付を募っていたので、ちょっとだけ協力してきました。
こうしたちょっとした行動で未来は変わります。
健康も同じ。
ちょっとしたことの積み重ねですね。
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