2018/02/15
【抜歯の全額費用】親知らず抜歯後の当日から治るまでの痛みと腫れは? (後編)
前回、「【抜歯の全額費用】親知らず抜歯後の当日から治るまでの痛みと腫れは? (前編)」で、2) 抜歯当日の話の途中までお話ししました。
病院を初めて受診した日(初診日)と抜歯当日の話や、下の親知らずの難易度によって、抜歯にかかる平均の時間が違うこともご紹介しましたね。
このページの目次
【目次】
1) 病院を初めて受診した日(初診日)の話
2) 抜歯当日の話(←前回の記事;途中まで)
3) 抜歯翌日からの状況
4) 抜糸の日の話
5) まとめ
今回、抜歯当日(抜歯後0日目)の3つの注意や、抜歯翌日からの状況についてお話しします。
2)抜歯当日の話 ~体調万全でのぞみましょう!~
抜歯の予約日に合わせて体のコンディションを整えましょう。
以下の4つに注意したいですね。
①前日は早めに休みましょう
②ご飯をしっかり食べましょう
③力を抜いて手術を受けましょう(下の親知らずの抜歯にかかる時間)
④抜歯当日(抜歯後0日目)の3つの注意を守りましょう
①~③は前回、「【抜歯の全額費用】親知らず抜歯後の当日から治るまでの痛みと腫れは? (前編)」でお話したので、今回は④から始めますね。
④抜歯当日(抜歯後0日目)の3つの注意
抜歯当日は、以下の3つに注意しましょう!
1.ガーゼを30分しっかり噛みましょう。
2.ぶくぶくうがいはひかえましょう。
3.血流が良くなるような、はげしい運動や入浴はひかえましょう。
1.ガーゼを30分しっかり噛みましょう。
親知らずを抜き終わったら、ガーゼを30分しっかり噛みます。
止血(しけつ)の基本は、圧迫です。
このときにガーゼがずれていると、うまく血が止まらないので、自分ではなく、先生やスタッフの方にガーゼを噛ませてもらった方がいいですね。
30分後にガーゼを外したとき、もし血が出てきても焦らないでくださいね。
唾液にまざって出血が多く見えることもあるからです。
ガーゼを丸めて、しっかりと抜いたところにガーゼをおき、追加でもう30分かんでみましょう!
痛みがある場合は痛み止めを飲むといいですよ!
痛みを我慢すると、血圧が上がって、血が出やすくなるからです。
追加で30分ガーゼをしっかり噛んでもドクドクと血が口に中にすぐにたまってしまうようであれば、病院に連絡しましょう。
ガーゼに血がついて少しにじむ程度であれば心配ありませんよ。
2.ぶくぶくうがいはひかえましょう。
当日は強いぶくぶくうがいをひかえたほうがいいですね。
なぜならば、強くうがいしすぎると傷口がひらいてしまったり、血のかたまりがとれてしまったりするからです。
抜歯した後、歯があった骨の穴に血がたまり、その血がかたまって、かさぶたのようになっています(血餅/けっぺい)。
血の味がするから気になって何度もうがいしたり、傷口の歯茎(歯肉)を舌で何度もさわったりすると、血がかたまりにくくなってしまうかもしれませんよ。
傷口をゴシゴシとこすらなければ、歯磨きはしても大丈夫です。
歯磨きの後も強いぶくぶくうがいはせずに口に含んだ水を吐き出すようにしてくださいね。
3.血流が良くなるような、はげしい運動や入浴はひかえましょう。
はげしい運動や体に負担のかかる仕事、入浴はひかえたいですね。
なぜならば、血流が良くなると、また出血することがあるからです。
親知らずの抜歯の後に仕事や学校に行っても大丈夫です。
ただ、はげしい運動の部活動や体に負担のかかる重労働は避けた方がいいかもしれませんね。
部活動や仕事の内容によっては学校の先生や職場の方に相談してみてください。
お風呂も長湯は避けて、シャワー程度がいいですね。
料金
再診料:150~250円程度(3割負担の場合)
・埋まってない親知らずの抜歯:900円程度
・根が肥大していたり、曲がっていたりして骨を削った親知らずの抜歯:1600円程度
・骨に埋没した親知らずの抜歯:3500~3900円
3)抜歯翌日からの状況
親知らずの抜歯は歯茎(歯肉)をめくったり骨を削ったりするので、治す反応がおこります。
治す反応を炎症反応(えんしょうはんのう)といいます。
血液のめぐりがよくなるので、その部分は赤く見えますし(発赤)、腫れますし(腫脹)、温まります(熱感)。
痛みの物質も一緒に流れてきます(疼痛)。
治す反応のピークは抜歯後2-3日目です。
個人差があるので、一概には言えませんが、大きく腫れる方とほとんど腫れない方もいます。
腫れや痛みは、7~10日かけてゆっくりとひいていきます。
1.抜歯後0日目(抜歯当日)
(掲載許可あり)
2.抜歯後1-2日目(抜歯翌日)
(掲載許可あり))
3.抜歯後2-3日目
(掲載許可あり)
4.抜歯後3-4日目
(掲載許可あり)
5.抜歯後4-5日目
(掲載許可あり)
治す反応(炎症反応)はだいたい7日間程度でおさまります。
その後に、また腫れてきたり、強い痛みが続くようだと、細菌に負けて感染している可能性があります。
そのときは症状を抑えるために追加で化膿止め(抗菌薬)や痛み止め(鎮痛薬)を飲んでいただきます。
下の親知らずを抜歯した後の体の治す反応は個人差が大きいです。
一人ひとりの親知らずの状況と抜歯の難易度、術者の経験によっても異なりますので、参考程度にしてくださいね。
【抜歯の難易度】
A:まっすぐはえていて、歯茎(歯肉)を切れば抜歯できる(歯肉切開のみ)
B:斜めになっていて、歯を分割すれば抜歯できる(歯肉切開+歯冠分割)
C:斜めや横になっていて、骨を削れば抜歯できる(歯肉切開+骨削除+歯冠分割)
D:完全に骨の中に埋没している(歯肉切開+骨削除+歯冠分割)
★抜歯の難易度ABCDが気になった方はこちら。
斜めにはえた親知らずが虫歯!?神経に近いと言われたが抜歯すべきでしょうか?
4)抜糸の日の話 ~ぬった糸を抜きましょう~
5~10日目に糸を抜くために受診していただきます。
症状を聞いて、糸を抜きます。
もし、頬に腫れがあればさわったときに痛むかもしれませんが、糸を抜くときにほとんど痛みはないので、安心してください。
チクッとする程度です。
抜歯後の腫れや痛みが続いている場合、追加の薬を出すこともあります。
もしお仕事やご家庭の都合で、糸を抜き(抜糸)に来られない場合は、かかりつけの歯科医院で糸を抜いてもらっったり、傷の経過をみてもらっても大丈夫です。
再診料:250円(3割負担の場合)(+追加の薬があれば、薬代)
5)まとめ
前回、「【抜歯の全額費用】親知らず抜歯後の当日から治るまでの痛みと腫れは? (前編)」と今回で、親知らずを抜くときに多くの方が不安に感じている病院を受診されてから抜歯するまでの流れや抜歯当日から治るまでの様子、受診の際にかかる費用についてお話しました。
親知らずの抜歯は歯茎(歯肉)をめくったり骨を削ったりするので、治す反応がおこります。
治す反応のピークは抜歯後2-3日目です。
個人差があるので、一概には言えませんが、腫れや痛みは、7~10日かけてゆっくりとひいていきます。
平日になかなか休みをとれないという方も多いでしょう。
家庭や職場と相談して、放置したことで症状を悪化させないようにしたいですね。
毎日に親知らずを抜きに来られる方に話していることをまとめました。
少しでもあなたのご参考になったなら嬉しいです!!
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